withコロナ回復ロードマップ

■ はじめに

日本では緊急事態宣言がまずは解除されました。安心できない状況が続くものの多くの方の努力により、感染者の数は減少傾向となっています。観光業、特に訪日インバウンド客については、国内の受け入れ対策や海外の各国の状況の違いにより、まだまだ不透明な状況が続いています。その点については多くの方が不安に感じていると思います。

以下は、弊社のお取り引き企業様、観光協会様、DMO様へのアンケート結果ですが、このコロナの影響を受け今後のマーケティング計画をお聞きしたものになります。多くの方が今後の計画や予算が不透明であり再計画が必要な状況のようです。

図1:アンケート結果(Vpon独自調査)

また今後のマーケティング手法について、少し掘り下げてお聞きしたところ以下のような意見を頂きました。まずは現状回復に注力されるというお話が多かったですが、次のフェーズに向けて前向きな検討事項も増えてきているように思います。

図2:アンケート結果(Vpon独自調査)

一方で、日本よりも状況が安定している国や地域も増えてきており、それぞれ今後の観光対策についてのロードマップの公開が始まりつつあります。それらを参考にして、今後の訪日インバウンドの対策の目安についても徐々に見えてきています。マイクロツーリズムなどの言葉も多く聞かれるとおり、国内観光・近距離旅行から回復することは順当ですが、withコロナ時代として衛生面での対応が当たり前になってくれば、海外旅行客の受け入れも懸念は減るものと想像されます。

■ 回復ロードマップ(2020年)

訪日旅行者の回復として、最大のターゲットとなるのは今から約1年後にあたる2021年の東京オリンピック・パラリンピックではないでしょうか。それに向けて順番に回復していくのではないかと予想されます。そしてその前にいくつかのターニングポイントがあると思います。

withコロナ回復ロードマップ

図3:2020年の回復予測

・中国

最初のポイントは2020年10月頃です。これまでも訪日客数ランキングの上位を占めるアジア圏の旅行者ですが、中国では3月以降、警戒は続くものの新規感染者数は比較的に落ち着いてきており国内観光は既に開始されています。特に5/1-5/5の連休では約1億1500万人が旅行したという報道があり、この数字は昨年比59%となり完全ではないもののかなりの回復が見られています。※1

・台湾

感染者数が極めて少ない台湾においても、台湾交通部が規制緩和について発表しています。5/27-7/31を第1段階として「防疫旅行」の期間、8/1-10/31を第2段階として「安心旅行」、第3段階として10/1-12/31を外国人観光客の受け入れを目指すとしています。※2

・韓国

韓国観光公社(東京支社)についても、5月にアフターコロナの対応プランを発表しています。6~7月を韓国旅行イメージ回復のための基盤作り、8~10月に韓国旅行雰囲気造成誘致マーケティング、11月以降には全方位マーケティングを予定しています。※3

いずれも、日本への旅行が確約されているものではありませんが、海外旅行客を受け入れる体制が整うことで、宿泊や航空の運用フローも安定し、海外旅行へのモチベーションも高まることが期待されます。

■ 回復ロードマップ(2021年)

2021年の最初の山は、2月2週目から3週目の中国の旧正月(春節)の時期です。中国、台湾、香港、といった現在感染者が落ち着いている中華圏の大きな連休に加えて、3月前後の桜人気は日本旅行へのきっかけになりそうです。さらに通常ですと4月から7月あたりは航空券の料金が下がる傾向があり台湾、香港からの訪日旅行者が多い時期になります。中国からの訪日旅行者も夏休みはハイシーズンになります。2021年はオリンピックのため通常の旅行者はその前後に意図的に避ける可能性も考えられます。

withコロナ回復ロードマップ

図4:2021年の回復予測

回復ロードマップのターゲットとなる東京オリンピックですが、日本好きなアジアからのリピーター客は必ずしもスポーツ観戦にくるとは言い切れません。どちらかというと、日本政府の需要キャンペーンなどもあり、これまで訪日していなかった層や国籍の旅行者が日本を旅行するきっかけになる可能性があります。しかし、その後を考えるとあらためて日本の観光地にとっては注目されるひとつのターゲットになることは間違いないでしょう。

■さいごに

2020年に戻りますが一番最初のポイントとなる10月頃を意識すると、インバウンド対策準備はその2〜3ヶ月前になろうかと思います。世界各地で様々なニュースが日本でも報道され、日々状況が変わり計画が立てづらい現状だと思いますが、比較的に安定しているアジア圏からの旅行客を意識するならば、もう今が動き出すタイミングなのかもしれません。

(※1:Newsweek https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2020/05/51-6.php

(※2:トラベルWatch https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1253104.html

(※2:CNA http://japan.cna.com.tw/search/202005190001.aspx

(※3:観光経済新聞 https://www.kankokeizai.com/)


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