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台湾人、香港人は何に“いいね”を押す? 〜これまで見えなかったSNSの真相〜

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■概要

・投稿に対して、米国>香港>台湾の順でシェアやコメントが多い傾向
・基本的にいいねとシェアとコメントは相関が高い
・台湾、香港は共通して、富士山、お寺、グルメのようなザ・インバウンドな投稿はSNSでは反応が薄い傾向。アニメ、マンガ、アイドルのような文化的な投稿も同様に反応は高くない。
・台湾でいいねが多い投稿は「ポップでキュート」なもの
・香港でいいねが多い投稿は「厳格で凛々しい」もの

■背景

海外の訪日見込みユーザーは日々、SNSやブログなどを通じて情報を得ています。日本政府観光局(JNTO)の運営するSNS(VISIT JAPAN)でも対象国別にほぼ毎日、情報を発信しています。
本記事は、主にアジア圏のユーザーがどのような投稿にいいねやシェアなどのアクションを起こし、何に興味があるのかを明らかにしています。

■調査対象

VISIT JAPANの台湾向けと香港向けのFacebookページの1年間(2018年5月〜2019年4月)の全投稿の各投稿内容(台湾538投稿、香港412)。および米国向けのFacebookページの4カ月間(2019年1月〜4月)の全投稿213投稿。(VISIT JAPANの選定理由として、日本全国が対象であることとフォロワー数の多さを考慮。SNSのうちFacebookの選定理由として、文章と画像のバランスを考慮したこと、および各国別にページが存在することなど)

■結果1(基礎データ)

・台湾(フォロワー71万9千人)の1投稿あたりの数値

図1:台湾の1投稿あたりのエンゲージメント数

図1:台湾の1投稿あたりのエンゲージメント数

台湾向けのページでは1投稿あたり平均470のいいねがつき、7件のコメント、28件のシェアがありました。いいねやコメントが爆発的に増えるケースがあるため、平均値は中央値よりも上に引っ張られる傾向が見られています。「いいねとシェア」の相関係数は83%となり、いいねが押されるものは同時に他人へのシェアもされています。一方「いいねとコメント」の相関係数は66%となり、先程よりは低い数値であるものの同じく相関が強いといえます。「コメントとシェア」についても76%となりこちらも高い相関が見られました。

・香港(フォロワー36万3千人)の1投稿あたりの数値

図2:香港の1投稿あたりのエンゲージメント数

図2:香港の1投稿あたりのエンゲージメント数

香港向けのページでは、台湾向けのページに比べてフォロワーの数が約半分であるため、いいねなどの平均値や中央値も同様の割合で少ない結果となりました。一方、コメントについてはフォロワー数に差があるにも関わらず、台湾と同程度の数値(平均値7)であるため、香港のほうがコメントが付きやすい傾向といえます。

・米国(フォロワー48万3千人)の1投稿あたりの数値

図3:米国の1投稿あたりのエンゲージメント数

図3:米国の1投稿あたりのエンゲージメント数

米国向けでは、これまでの台湾・香港と比較してコメントやシェアが付く割合が高い結果となりました。台湾の平均値と単純に比較しても、コメントは約5倍、シェアは約3倍になっていました。(ただし期間や投稿内容が異なるため参考程度)

図4:台湾、香港、米国の3カ国の比較

図4:台湾、香港、米国の3カ国の比較

■結果2(投稿ランキング)

台湾・香港向けページの投稿をいいね順、シェア順に上位から並べた結果が以下になります。(いいね、シェア、コメントは既述のように各々の相関が高いためランキング結果は似ています。)

・シェアランキング上位10位(台湾)

図5:シェアランキング(台湾向けページの投稿)

図5:シェアランキング(台湾向けページの投稿)

台湾のシェアランキングの1位は大阪のJTRRD(ジェイティード)カフェの投稿記事でした。JTRRDカフェの内容は、キウイ、バナナ、レモンなどのフルーツがカラフルかつ乙女チックに飾られているスムージーの写真が掲載されていました。(参照:公式ウェブサイト:http://jtrrd.com/

2位は京都の鉄道博物館、3位は空庭温泉でいずれも関西地域となりました。空庭温泉の内容は浴衣をきた人々が行き交う和風な雰囲気漂う幻想的な温泉テーマパークの写真が投稿されています。他には7位の江ノ島、8位の北海道美瑛のラベンダー畑、10位の恋の駅(恋がかなうというピンクで彩られた鳥取の恋山形駅)がランクインするなど、比較的にポップでキュートな映え方をする投稿がシェアされる傾向が見られています。

・いいねランキング上位10位(台湾)

図6:いいねランキング(台湾向けページの投稿)

図6:いいねランキング(台湾向けページの投稿)

台湾のいいねランキングですが、1位は北海道美瑛のラベンダー畑でした。2位は応募キャンペーンのため例外的ですが4位の下灘駅はドラマや映画のロケ地になったロマンチックな絶景の無人駅です。やはり先程のシェアランキングと同様にやや女子っぽいロマンチックなものが上位にきています。ユーザー属性として若い女性が多いということも影響していると思われます。

・シェアランキング上位10位(香港)

図7:シェアランキング(香港向けページの投稿)

図7:シェアランキング(香港向けページの投稿)

香港向けページでのシェアランキングの1位は岐阜城でした。この投稿はただのお城ではなく、夜の満月とともに岐阜城のシルエットが厳かに映し出されるというなんとも格好いい投稿です。2位は香川の父母ヶ浜(ボリビアのウユニ塩湖のような干潟)でこちらも幻想的です。3位はアンパンマン電車がランクインです。お子さんのいらっしゃる年代の方が反応した可能性もあります。4位の銀杏(いちょう)は景色が黄色一色に染まった渋さのある風景でした。

・いいねランキング上位10位(香港)

図8:いいねランキング(香港向けページの投稿)

図8:いいねランキング(香港向けページの投稿)

香港のいいねランキングです。顔ぶれはシェアランキングとかなり近しいものとなっていました。
6位の北海道 阿寒湖の「氷の花」は歌手の中島美嘉さんの名曲「雪の華」と共に紹介されていました。

参考までに米国のいいねランキングはスタジオジブリ、ハローキティの電車、東京五輪の記事、桜、歌舞伎、太宰府のスターバックスなどが上位にきており、桜などの人気は共通していますが、東京五輪や歌舞伎などの反応はアジアとはまた違った傾向といえるでしょう。

■結果3(投稿カテゴリー)

個別のランキングでもおおよその傾向は見えてきましたが、特定の投稿に引っ張られた結果が多いとも捉えられます。以下は台湾・香港向けページの投稿をA~Hの8カテゴリーに分類し、各カテゴリーごとの傾向をみた結果となります。

図9:投稿を分類した8つのカテゴリー

図9:投稿を分類した8つのカテゴリー

・投稿カテゴリー別結果(台湾)

図10:カテゴリー別の数値(台湾向けページの投稿)

図10:カテゴリー別の数値(台湾向けページの投稿)

カテゴリー別に見ると「B自然景色」が1投稿あたりの平均いいねが613となりトップとなりました。桜を含めた花や冬の雪景色など、写真映えするものが多いカテゴリーといえます。A伝統文化、Cグルメ、D体験、Eアートなどが次に続きますが、1位との差が大きく2位グループにはさほど差がありませんでした。祭りや神社・お寺といった伝統文化はもう少し上位にくることを想定していましたが、SNS上ではそこまで反応がないようです。グルメカテゴリーも訪日目的のアンケートでは必ず上がる項目ですがこちらも2位グループからは抜け出していません。買い物やスポーツは比較的に投稿数も少ないですが、いいねも少ない傾向となっています。

・投稿カテゴリー別結果(香港)

図11:カテゴリー別の数値(香港向けページの投稿)

図11:カテゴリー別の数値(香港向けページの投稿)

こちらは香港のカテゴリー別の結果です。台湾と同様に「B自然景色」のカテゴリーがトップです。全体的な傾向としては台湾と同様といえます。ただし個別記事のランキングのように同じ自然景色でも少し大人っぽい厳格な風景はいいねがつきやすい傾向があるようです。

■まとめ

台湾と香港向けのFacebookページを中心に、どのような投稿に反応しているかを検証してきました。
共通した結果としてFacebookであっても華やかで写真映えするものにいいねが集まる傾向でした。しかし、富士山、お寺、グルメのようないわゆるインバウンドな投稿は反応が多くない傾向であり、アニメ、マンガ、アイドルのような文化的な投稿も同様の結果となっていました。
台湾でいうと、いいね1位がカフェのスムージーだったように日常的に「ポップでキュート」なものに反応があったようです。恋の駅のような乙女チックなものも人気でした。香港でも写真映えに反応する傾向は変わらないもののお城や月の「凛々しい」風景に反応が見られました。

このような結果をもとにして、各インバウンド関係者の方の情報発信の参考になれば幸いです。

the truth of SNS

※本記事はVISIT JAPANのFacebookページをVpon JAPANが独自分析したものになります。