半年ぶりのPodcast再開です。今回は、Vponが企業ブランドを「VISIONARY NIPPON ™」として再定義した、その裏側の話をしました。なぜ自分たちで掲げてきた旗を一度壊したのか。社名の由来を書き換えるとはどういうことか。台本なしで、考えてきたことをそのまま話しています。
まず、配信を再開します
しばらく間が空いてしまいました。継続するというのは、やはり難しい。
ただ、誰かに聞いてもらうこと自体が目的ではなく、自分の言葉で、自分がやっていることや会社の思いを言葉にして、拙くとも発信し続けることには意味がある。そう思い直して、配信を再開することにしました。マイクも新調し、機材も軽く揃えて、心機一転です。
この番組は、VISIONARY NIPPON と Vpon にまつわるあらゆるストーリーを、「オープン社内報」の位置づけで配信していく、ゆるくもためになるかもしれないラジオ番組として仕切り直します。ミッション・ビジョン・バリュー、会社のヒストリー、サービスやプロダクト、戦略、採用、中の人の話、リーダーシップやマネジメント。ときにゲストもお迎えして、客観的にVponを語り合う場にもしていきたいと思っています。
Vponは、もともとバーチャルクーポンだった
ご存じの方も多いと思いますが、Vponという社名は Virtual Coupon(バーチャルクーポン) から来ています。頭文字の「V」と、クーポンの「pon」。それがVponです。
バーチャルクーポンというソリューションを業界に投じ、お客様を獲得し、事業を伸ばしてきた。そこからアドネットワーク事業、とくにスマートフォンに特化したアジアのアドネットワークに参入し、膨大なデータが貯まっていった。そのデータをライセンスする、分析する、可視化する、それらを統合した基盤をつくる。そしてマーケティングにつなげていただく——これは今でも我々の生業です。
台湾で生まれた会社が、いまは日本事業が売上の多くを占め、東京を本社として東証上場を目指す企業体にまで成長してきました。
その中で、「Vponって何の略ですか?」とよく聞かれます。キャッチーでポップな響きなので覚えていただきやすいのですが、そのたびに「バーチャルクーポンから来ています」と答えてきた。これまではそれで良かった。
でも、**僕たちのミッションは「日本の魅力で世界を元気に」**です。なぜVponが社会に存在するのか、という問いへの答えがそこにある。ここ数年、その存在意義と社名の由来との間に、じわじわとギャップが生まれてきているのを感じていました。
なぜ、このタイミングだったのか
もうひとつ、フェーズが変わったという実感があります。
Vponはもともと、後発の外資で、プロダクトも「そんなに行けてる」とは言えない中から、何とか事業をつくってきた会社です。だからマーケティングを工夫し、ブランディングを工夫し、ランチェスター戦略で一点突破する。どう見えれば、お客様が向き合ってくださり、ソリューションを使っていただけるのか——それをずっと考えてきた12年でした。
ここ数年の旗印は「クールジャパンをDXする」でした。政府が進めるクールジャパン政策に乗りながら、僕らがこの産業を育てるんだと言い続けてきた。インバウンドを伸ばし、コロナ禍でアウトバウンドの必要性を痛感し、その両方を包含する言葉としてクールジャパンは合致していました。
けれど、海外企業の買収も進み、ロールアップ戦略で東証上場を目指すフェーズに入った今、見え方やメッセージ、ポジショニングを変えるときが来た。この半年から一年、ずっと考えてきたことです。
自分がずっと言ってきた「クールジャパンDX」を、半ば自己否定になるけれど、一度壊して新しいブランドをつくっていく。それが中長期的に、社内の求心力にもなるし、社外の方々と強固なパートナーシップを結んでいく力にもなる。
事業領域も広がりました。ネットワーク広告だけでなく、データソリューション、人材育成、コンサルティング、SIっぽい仕事まで。業態が広がった以上、意味合いも変えたい。しっかりとしたリブランドで旗印を立て、社内外を巻き込むムーブメントをもう一度つくり直したい。そう考えました。
VISIONARY NIPPON = ビジョンを持つ国、ニッポン
新しい企業ブランドは VISIONARY NIPPON ™ です。
V(isionary) + (Nip)pon = Vpon。
社名は変えていません。意味だけを重ねました。 ビジョンのある国、日本。そんな国をつくっていき、世界の方々に日本の魅力を知っていただく。文化的にも経済的にも、日本が世界をリードしていく。そんな世界観をつくるときに、Vponがちょっとでも関わっていたら最高だな、と。それはそこで働く人たちのロマンにもつながるはずです。
このアイデアは、実はAIには出せませんでした。当然AIにも相談して、無数の案を出してもらったのですが、「VISIONARY NIPPON」という答えは出てこなかった。おそらくこの数カ月、無意識にずっと考えていたものが形になったのだと思います。
着想元ははっきりしています。『ビジョナリー・カンパニー』 シリーズです。もう十数年前から読んでいて、折に触れてページをめくると、そのときどきの経営課題や人事の課題に対して必ず気づきをくれる。永続的に続く会社はどうあるべきか、そのヒントをもらってきました。「ビジョナリー」という言葉が、単純に好きなんです。
その**「ネイション版」がVISIONARY NIPPON**、という感覚ですね。
ミッション・ビジョン・バリューの「抽象度」
経営者であれば誰しも、ミッションがあり、ビジョンがあり、バリューがある。Vponで言えばバリューは「Vpon Way」です。これはずっとアップデートし続けてきました。
その中で、ビジョンの大切さを本当に痛感しています。
ビジョンというのは、社内の人も社外の人も巻き込んで、Vponに関わってくださる方の貴重な時間とリソースとアイデアをお借りして進めていくもの。その方々が気持ちよく働き、協力してくださるために、「何のために、どういう社会の役に立つために、これをやっているのか」という意思表示が必要になる。それがビジョンだと思うんです。
一番抽象度が高いところにあるのがミッション、「日本の魅力で世界を元気に」です。これが達成された状態は、正直どうやって測るんだという話ではあります。ただコーチング的に言えば、ゴールは大きければ大きいほどいい。利他性が強く働き、成就したかどうか計測できないほど利他的なゴールこそがいいとされます。僕らはそこを目指しています。
とはいえ抽象度が高すぎると、日々のサービス提供や現場のオペレーションとは離れすぎてしまう。そこを接続するのがビジョンであり、解像度を上げる作業だと僕は思っています。
そこで掲げているビジョンが、日本文化・関連産業の外需獲得で「100兆円産業」をつくる、その旗振り役となること(※100兆円は当社試算)。
解像度、だいぶ上がりませんか。クールジャパン戦略の50兆円が2033年ごろ、前倒しで2031年ごろに来たとして、その倍が100兆円です。企業の経済活動で「倍」という目標は、そんなに突飛な話ではない。やりようだと思っています。
外需を獲るとは、日本を売り渡すことではない
インバウンドはいま4,000万人の時代。これは6,000万人になり、ポテンシャルとしてはこの10〜15年で1億人くらいまで行くと僕は見ています。
大都市圏だけでなく、日本の隅々、ローカルのエリアにまで外国人が出かけていって、「ワオ」と驚き、しっかり消費してお金を落としてもらう。地域の方々がそれで潤う。そういう世界をつくりたい。
ただ、ここは誤解されたくないので何度でも言います。
外需を獲得する、日本の文化を輸出するというのは、日本を売り渡すことではないし、日本の土地を容易く手放すことでもないし、大自然の中にソーラーパネルを敷き詰めることでもない。
日本人が、日本が培ってきた長い歴史と、そこから生まれた文化を世界に知ってもらう。ファンになってもらう。ゆくゆくは日本に来てもらう。そのために必要なのが、マーケティング(届ける力)/人材育成/官民連携のファイナンスです。ここは中長期で見るべき領域なのに、なぜか短期的に判断されて叩かれてしまっている部分がある。課題は山ほどある。だからこそ僕たちは「クールジャパンをDXする」と言ってきたわけです。
内需で育ってきた日本が、これから外需を獲得していく。これは日本という国が存続するためにも、必ず実現しなければいけない産業だと思っています。
新しいタグラインは「何屋なのか」の言い切り
これまでVponは「クロスボーダーDXカンパニー」というタグラインを使っていました。一見かっこいい。でも「クロスボーダーって何?」「DXって結局?」と、わかりづらさが残る。
そこで、Vponとは何屋なのかをもう一度定義し直そうと、社内から広く募集しました。集まった案から4つに絞り、その中で会社として公式に使うものを決めました。
「インバウンドも、海外進出も。ワンストップパートナーはVpon。」
Vpon JAPAN株式会社
4つに絞って1つにしなかったのは、メンバーごとに向き合っている業界もテクノロジーへの理解度も違うからです。それぞれが自分の言葉で語れるほうがいい。
海外展開の支援は、ホームページを多言語化して、クリエイティブを現地向けにローカライズして、デジタル広告を配信して終わり——ではありません。そもそもそれを担う人材が企業の中に必要で、戦略が必要で、人材を張ること自体が投資です。そのすべてをVponが提供していくと宣言したかった。
すでにやっているのは、膨大なデータを活用したデータ分析からのデジタルマーケティング支援、そこに付随するコンサルティング、データ基盤やダッシュボードの構築、データ調達まで。今後は人材育成、そして官民を含めたファンドへの関与も広げていきます。
リブランドに合わせて組織自体も少しチューニングし、機動力を高める措置を取りました。海外事業についても、2年前に「日本中心で行く」とドラスティックに宣言し、それまでVpon JAPAN(日本事業)が唱えていたミッションとビジョンを、Vponグループ全体のものへと格上げしています。おかげでリソースの配分も投資すべき領域も明確になり、いま思考はとてもクリアです。
渡邉賢一さんが「チーフ・ナラティビスト」に
今回のリブランドに合わせて、ひとつ大きなご報告があります。
長くお付き合いさせていただいている 渡邉 賢一 さん(僕らは「ナベケンさん」と呼んでいます)に、Vponの チーフ・ナラティビスト(Chief Narrativist) としてご就任いただきました。
クールジャパン、外需獲得、日本の文化や精神性を海外に発信することについて、数々のビジネスを手がけてこられた方です。狙いは2つあります。
- VISIONARY NIPPON とは何なのかを、もっと噛み砕いて伝えるナラティブをつくること
- 日本のカルチャー・精神性・歴史を世界に知ってもらい、ファンになっていただくための言語化と編集
どういう言葉で、どういうタイミングで、どういうソリューションで語りかければ日本の魅力がもっと伝わるのか。ここは本当に天才的に素晴らしく、実績も持たれている方なので、がっつりと深掘りしていきたいと思っています。
まとめ
- 社名は変えず、意味だけを重ねた。Virtual Coupon から VISIONARY NIPPON へ。V(isionary)+(Nip)pon=Vpon
- 自分で掲げた「クールジャパンDX」を一度壊した。半ば自己否定でも、フェーズが変わったなら旗も立て直す
- ミッションは抽象度最大でいい。「日本の魅力で世界を元気に」を、ビジョン(100兆円産業の旗振り役/当社試算)が現場に接続する
- 外需獲得は日本を売り渡すことではない。必要なのはマーケティング・人材育成・官民ファイナンスの3点セット
- 新タグラインは「インバウンドも、海外進出も。ワンストップパートナーはVpon。」 社内公募から生まれた、”何屋なのか”の言い切り
- 渡邉賢一さんがチーフ・ナラティビストに就任。データで可視化するだけでは人は動かない。だから物語の設計者を迎えた