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インバウンドデータサミットイベントレポート【後半】

ンバウンドデータサミット

9月6日(金)にザ ストリングス表参道で開催しましたインバウンドデータサミットは大盛況のうちに終了いたしました。

インバウンドデータサミットでは、インバウンド関係者を300人限定で招待し、データを使ったこれからのインバウンド対策を話し合う場として、全国各地の観光団体が各地域の課題や対策事例などをテーマにトークセッションを繰り広げたほか、インバウンドデータを提供する側であるデータ事業者が一堂に会してトークセッションを行いました。

今回は様子をレポートとして、前半と後半の2つに分けてお届けします。

後半はトークセッション編です。

イベントレポート前半 挨拶と基調講演編

■トークセッション1 観光団体編

登壇者

日本政府観光局(JNTO) 企画総室 デジタルマーケティング室 シニア・アシスタント・マネージャー 中村大介 氏

公益財団法人 大阪観光局 マーケティング戦略室 室長 牧田拡樹 氏

公益社団法人 京都市観光協会 マーケティング課 DMO企画・マーケティング専門官 堀江卓矢 氏

一般財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー 誘客事業部 デジタルマーケティングチーム 主任 渡辺翔 氏

Vpon JAPAN株式会社 代表取締役社長 篠原好孝(モデレーター)

トークセッション1では「インバウンドでビッグデータ活用推進」をテーマにインバウンドデータを活用している全国各地の観光団体の方々のトークセッションが繰り広げられました。

JNTOと観光団体の役割

JNTOではプロモーションの効果測定とデジタル広告でデータを活用しており、JNTO DMPを推進しています。その中でJNTOが今後データマーケティングを活用した全国の自治体、DMOとの関わりとして全国各地の観光団体から集めたコンテンツを局のグローバル向けサイトのトップに出して発信やwebマガジンへの紹介パッケージを通じた関係づくりを継続して行い、今後JNTOからデジタル広告でも販売してJNTODMPを間接的に全国の自治体、DMOに使ってもらうことでデータ貢献を考えているそうです。

ンバウンドデータサミット2-2

日本政府観光局(JNTO) 企画総室 デジタルマーケティング室 シニア・アシスタント・マネージャー 中村大介 氏

それに対して、京都観光協会の堀江氏は協会が持っているコンテンツを適切にお渡しするのが非常に大事だと述べました。同じく大阪観光局の牧田氏も世界各国にネットワークを持っているJNTOの強みを生かしてコマーシャルをしていただきたい、そしてDMPを含めたデジタルの部分においてもプロモーションの部分でお世話になりたいという思いがあると語りました。

インバウンドデータを活用したオーバーツーリズム対策

日本各地の観光地では現在オーバーツーリズムが問題となっています。この問題に対してインバウンドデータはどう活用できるのでしょうか。

京都市観光協会の堀江氏は、データを用いて負の影響を与えない観光客を特定できるようになればということでデータを貯めている最中である一方で、ファクトデータから様々なデータを組み合わせて指標化できれば京都が直面している問題を解決する方向に持っていくことができるのではと語りました。

インバウンド データサミット2-3

公益社団法人 京都市観光協会 マーケティング課 DMO企画・マーケティング専門官 堀江卓矢 氏

沖縄観光コンベンションビューローの渡辺氏は、「昔から台湾からの訪日客が多く、最近では美ら海水族館や首里城だけでなくもっと詳しいところまでいきたいというニーズが出てきているといいます。その中でどんな人が本島北部や離島まで来ているのか、魅力を感じているのかを追いかけることで、台湾からの訪日客だけでなく世界中の同じ属性の方達に魅力を発信するとともに、まずはデータ分析を通じて県民や島の方にフィードバックをすることで自分の地域の魅力を知って欲しい」と語りました。

インバウンド データサミット2-4

一般財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー 誘客事業部 デジタルマーケティングチーム 主任 渡辺翔 氏

インバウンドデータと個人情報

そして、インバウンドデータを扱う上で重要となる個人情報やGDPRへの対応についても議論が行われました。

JNTOの中村氏はGDPRに関しては、対応していないところからはデータは撮りませんと区別をしており、どの事業がどのプロモーションでどこをターゲットにしているのかということを気にしながら運営していると語りました。また、cookieポリシーの改善や位置情報のデータに関しても弁護士と相談しながら整備を行なっているとのことです。

提言と希望

そして最後に今後のインバウンドデータの活用への提言や希望が語られました。

沖縄観光コンベンションビューロー渡辺氏

僕らデジタル担当者だけがデジタルをやるということではなくて、離島で民宿をやっている方もそこに参加していただくことが必要になってきますが、どうしてもハードルが高い状況にあるため、ハードルを下げる必要もあるということです。

観光地や島の皆さんがものすごく勉強しないと使えないということではなくて、少しずつこうやったらできるんだねというハードルを下げていくことが先進的にやられている皆さんの背中を追いかけながら沖縄としてやっていければと思っています。

京都市観光協会堀江氏

JNTOさんにどうやってコンテンツを渡すかというのが非常に重要かなと思っています。

インバウンドデータというと、どうしても旅行者側のデータをどう細かくしていくかというところに目がいきがちですが、解像度を上げれば上げるほど今度はコンテンツの解像度が高くないと意味がありません。このコンテンツはどういう人に受けるのか、どういう分類ができるのかということを同じレベル感でやって合体をさせていくことがこれからのデータ活用では大事じゃないかなと思っております。

大阪観光局牧田氏

データ結果が何に使えるのという調査結果が一番残念な形になってしまうので、やっぱり観光施策に結び付かないといけないんだろうなという風に思っています。ですので、出た結果がちゃんと反映させてもらえるようなことに使うという意味で進めていくことが大事かなと思います。

日本政府観光局中村氏

JNTOの役割として、デジタルマーケティングを行っている方と一緒にやっていくという目的もありますし、一方でこれからデジタルマーケティングをやっていくという方々に対してもお手伝いをしていかなければならないと思います。そこら辺に関してはどう回していくかが課題かなと思っております。これからデジタルマーケティングを進められる方も、デジタルマーケティングってそんな怖いものではなくて、PDCAを回していくという部分ではそんな変わるものでもなく、新しい指標が加わったよというとこです。

JNTOも非常に歴史のある組織ですので、アナログとデジタルをミックスさせたところで皆さんともっとインバウンドを引っ張っていけたらと思っております。

インバウンドデータサミット2-5

トークセッション1 観光団体編 集合写真

トークセッション2 データ事業者編

登壇者

株式会社データビークル 代表取締役 油野達也 氏(モデレーター)

株式会社ドコモ・インサイトマーケティング エリアマーケティング部 副部長・技術統括 鈴木俊博 氏

株式会社Payke 事業戦略室 事業推進責任者 杉山元紀 氏

株式会社ナイトレイ 代表取締役 石川豊 氏

Vpon JAPAN株式会社 執行役員 インバウンドデータ事業管掌 木ノ内宣行

トークセッション2データ事業者編では「インバウンドデータ持っている人集合」と題して、普段は競合でもあるデータ事業者が集まり、データを持っている企業側から見たインバウンドデータについてトークセッションが繰り広げられました。モデレーターを務めていただいたデータビークルの油野氏の各社への質問とともに幕を開けた本トークセッションは笑いの渦に包まれました。

データ分析が効果的なのは販売か観光か

データビークルの油野氏によると、地方創生というとき地方産品の販売と観光誘客の2つが実際に経済に効いてくるのだそうですが、ではデータ分析においては効果的なのがどちらなのか、そして何から始めたらいいのかについて話し合われました。

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株式会社データビークル 代表取締役 油野達也 氏(モデレーター)

ドコモ・インサイトマーケティングの鈴木氏とVponの木ノ内は観光によるデータ分析と述べた一方で、Paykeの杉山氏は販売としながらもまだどちらも効果的なデータができていないのではと語りました。

株式会社ナイトレイ 代表取締役 石川豊 氏

データ分析から見たオーバーツーリズム

オーバーツーリズムについてデータ事業者の観点から見てみるとどのように見えてくるのでしょうか。

ドコモ・インサイトマーケティングの鈴木氏はデータで見てみるとオーバーツーリズムの実態がわかるとして、京都を例に挙げて「訪日外国人と日本人観光客が多く訪れているエリアがわかる一方で実は意外と観光地と近いけどまだまだ観光客が来ていない隠れスポットを簡単に見つけられる」といいます。そのため、世界中で売り込むよりもこちらどうですかと誘導することができるということです。それに対してPaykeの杉山氏も個人的な話としながら、オーバーツーリズムという事象は今後日本でも続いていく中で観光客数の制限が対策としてあげられていますが、それだけでなく日本一括りで考えずに地域の特性に合わせて対策を考えるべきだと述べました。

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(株)ドコモ・インサイトマーケティング エリアマーケティング部副部長・技術統括 鈴木俊博 氏

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株式会社Payke 事業戦略室 事業推進責任者 杉山元紀 氏

分析に足りないデータとは

データを持って分析を行う中で分析に足りないデータは何かという質問に対しては、Vponの木ノ内は我々は訪日の確度が高い方に配信できるのが強みですが、もうすでに訪日に関する予約をしていて絶対に来ることがわかる方に情報を届けたいという声があるということで、個人情報の問題がクリアになればブッキングデータがあるといいと述べました。

インバウンドデータサミット2-10

Vpon JAPAN株式会社 執行役員 インバウンドデータ事業管掌 木ノ内宣行

またPaykeの杉山氏は「我々が持っているデータは購買に至るまでのオフラインの情報だが、そのあとに決済データまで連携させていく必要がある」と述べ、現在進めている決済事業者との連携についても語りました。

ドコモ・インサイトマーケティングの鈴木氏も「消費の点で人流と消費の情報をうまく組み合わせられたら」という風に語るとナイトレイの石川氏は「これから進捗があるのは消費のデータかなと思います」と述べ、さらに「数年前でいうとインバウンドってキーワードでいうとほぼわからないことが多かったのですが、今はこの地域はどうなっているのだとかこの国の人はというところがようやくできつつあるので、各社が持っている基本のデータと今のデータを組み合わせると、今まで見えてこなかった部分が見えることに繋がると思います」とまとめました。

トークセッション2 データ事業者編 集合写真

日本では2018年に訪日外国人数が初の3000万人を超え、2020年には4000万人、さらに2030年までに6000万人の訪日を目指しています。

その中で今後データを使ったインバウンド対策は、より重要になっていきます。

本イベントではデータ活用の事例だけではなく、観光団体側、そしてデータ事業者側の両面から課題が見えてきたのではないでしょうか。今回のイベントを通じて課題解決に向かって様々なビジネスが生まれ、さらにインバウンドデータが発展していくきっかけとなれば幸いです。

インバウンドは待っているだけではやってきません。今がインバウンドデータを活用して対策を行うチャンスです。

そう難しく考えずに、まずは自地域の課題を一緒に考えてみませんか?