-データを活用した沖縄型観光振興を目指して-豪華メンバーとセッションしました 7/14 in 沖縄

登壇者

・内閣府沖縄総合事務局 運輸部企画室 室長・(併)沖縄総合観光施策推進室チーム長:村上 隼 氏
・(一財)沖縄ITイノベーション戦略センター 理事長:稲垣 純一 氏
・株式会社かねひで総合研究所 代表取締役理事長:花牟礼 真一 氏
・EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社 パートナー:平林 知高 氏
・Vpon JAPAN株式会社 代表取締役社長:篠原 好孝 氏

今回のテーマである「データ利活用型沖縄観光振興モデル」
OCVBさん、ISCOさん、沖縄県が統一メッセージとして発表した背景


篠原: 本日のテーマ、OCVBさん、ISCOさんや沖縄県が統一メッセージとして昨年9月頃発表された、「データ利活用型沖縄観光振興モデル」ということで、まさにこういったことを一元的にデータを管理しながら沖縄観光データプラットフォームを活用して地域に還元していくということだと思います。まず村上さん、この宣言の概要を簡単にご教授いただいてもよろしいでしょうか。

村上氏: 背景からでありますが、なかなか地域の消費に結びついていないといった課題がございます。2020年以降コロナの打撃も受け、我々内閣府、沖縄総合事務局としても如何により強い回復を目指して行けるかを考えていかなければならないと思っており、個々の関係者だけではなく、一つ目的に向かって協調し、協力し合う体制を作らなければという発想がございました。その中で、OCVBさん、沖縄県、それからISCOさん、皆様と共同でメッセージを発信させていただいたのが、この「データ利活用型の沖縄振興モデル」ということでございます。持続可能なデータ駆動の観光地経営が沖縄において、県全体できる第一歩となればと思い、この宣言を共同で出させていただいたという次第でございます。

-トークセッション①-
篠原: 稲垣さん、ISCOさんは沖縄ITイノベーション戦略センターということで、まさにこのデータ利活用を実行部隊として推進していくお立場の1社さんだと思いますが、その辺りどういったお考えで推進されていかれるご予定でしょうか?

データ活用において大事な3ステップとは?
稲垣氏: デジタライぜーションによって、社会のあらゆる情報がどんどんデジタル化されていく。そうすると、その収集整理は非常に容易くなってくるけれど、単にそれをビッグデータが扱えるようになったということで止めるのではなく、まず「見える化」すること、2段階目で「分かる化」すること、3段階目で「できる化」すること。「見える化」は、分かりやすくそのデータの奥に潜んでいるものを見せるということ。「分かる化」は、データを関連のデータとともに分析して、状況っていうのは、その把握した状況から事業活動に具体的に結びつけていく。これが大事で、この3ステップにおいて、いろいろな県内の動きに対してサポートしていこう、そういう考え方でおります。

篠原: 稲垣さん、ありがとうございます。こういった3ステップ実現していくうえで、ご支援できるところは多くあるのかなと思っております。平林さんが考える課題の設定とソリューションみたいなのはどの辺りになりそうだとお考えですか?

まず課題設定することがビジネスを成功へ導く
平林氏: 観光DX、観光地を経営するとなったときに、観光地の状況がちゃんと経営できる指標が既に揃っているのかというと、私が見る限りでは少ないのではないのかなと思ってます。まず課題の設定としては、沖縄がどうなっているのか、これを「見える化」する必要がまず第一歩として重要なのではないかなと。Vponさんみたいな民間のサービスを提供されている方々がデータを提供していく、これがまず一つ。その先、ソリューションっていうお話しがあり、ただデータを集めてプールしてるだけでは、何も起きないっていうこと。Vponさんがダッシュボードを作られて、どうアジェンダをクリアにしていくのか、ここのサービスを提供していくことが、この後求められてくる最終型の答えかなと。

篠原: 平林さん、ありがとうございます。可視化したダッシュボードや、データそのものっていうのは何か課題があったり、何か課題を解決したいっていう事のためのツールに過ぎないっていうのは、我々も問いかけていかないといけないですし、皆様が何に課題感を持っているかというところに寄り添うということが、やはり大事だということですよね。花牟礼さん「万国津梁会議」、熟読させていただきました。一つのテーマである、「稼ぐ力」というところで、何か今回のこの「データ利活用型観光振興モデル」はどのように密接に関わっていらっしゃるのかというところをお話しいただけますでしょうか。

データ活用が沖縄の稼ぐ力へつながる
花牟礼氏: 「データ利活用型観光振興モデル」ですが、これ実は画期的なのです。国と県とISCOとOCVBが一緒に組んでるということ。3年前、私がリゾテック提言する前は、なかなか観光系と情報系が一緒に何かやるっていうことはあまりありませんでした。オープンデータソースっていう言葉が、新21世紀ビジョン振興計画、情報産業推進計画、それからDX推進計画、県がたくさん出している今後の10年計画の中にしっかりうたわれており、県がしっかりデータを構築し、それを活用していこうと言う証になっているわけです。データを活用するたくさんの企業が沖縄に来て、そこで稼いでくれるって言うことが沖縄の稼ぐ力につながる。VponさんのWeeでその見本を見せてください。

篠原: 花牟礼さん、ありがとうございます。Weeっていうのはデータマーケットプレイスとそのデータプラットフォームなので、我々が持っているデータだけでは解決できない、それは消費データ、色々なSNSデータ、IoTデータなどいっぱいあると思います。そういったものを調達していって、使いたい方々が使いたいデータのパッケージをたくさん用意していくっていうのが一つミッションになっています。

-トークセッション②-

大阪観光局さんの観光DXを事例にあげて
篠原: 続きまして、大阪観光局さんの観光DX事例です。2030年までにアジアナンバーワンの国際観光文化都市になるためのサポートとして、観光データベースでデータを一元的に収集していきながら、いろんなソリューションを可視化していくというところです。ISCOさんも収集したデータとか、沖縄データプラットフォームで集めてきたデータだったり、可視化したダッシュボード使っていただくことを設定されてらっしゃると思うのですが、沖縄でもそういったモデルで地域へ還元を目指されていらっしゃるんでしょうか。

他、都府県にない沖縄ならではのポイントで沖縄観光を不動のものに
稲垣氏: 大阪の事例を伺って先行しておられるなと。私は二つの点で、沖縄が他県と違うよっていうことを言いたいです。ISCOのような、他の都府県にないような組織を活用して、この動きを進めていこうとしていること。データに関しても、独自でもデータを利活用できるようにしていこうとしている。そして、市町村との関係も当然、県はパイプをお持ちですが、我々もまた独自に持って、非常にフレキシブルな形で推進しようとしている点が一点。それからもう一つ、そもそも人はなぜ旅をするのかという、人間性の本質に非常に近いところで沖縄は観光を提供することができる。人は何のために旅をするのか、そういったところへのヒントが実はデータから少しずつ浮かび上がってくれば、自ずから沖縄観光は不動のものになっていくと考えております。

篠原: 稲垣さん、ありがとうございます。なるほどですね。村上さんにお伺いしたいのですが、大阪モデル、大阪市、大阪府と密接にコミュニケーションを図っているというのが一つありまして、万博とかIRがこれから控えてますので、当然タッグを組んでいかないといけないということで、観光DXの進化を図っていらっしゃいます。行政自治体と観光団体がタッグを組む上で大切なこはどの辺りにあると思われますか?

データ活用においてビジョンの共有は重要
村上氏:大阪のこの事例、本当に進んでいるところなので、我々としても本当にこの事例を参考にする部分って多々あると思います。私の私見で恐縮ですが、やはりデータ利活用の部分でたくさんの関係者の方々がいますし、いろいろな利害関係関わってくると思います。何のためにやるのか、これはどういう課題があって、それに対してどういうアプローチのためにやっていくのか。というビジョンの共有っていう部分が関係者間の連携を深めていくためにも欠かせないものであるかなと思います。今回、ISCOさん、沖縄県、OCVBとできたというのは、いいことだと思っております。

篠原: 村上さん、ありがとうございます。沖縄県、OCVBさん、ISCOさん、それから国が統一でメッセージを出されたというのは、一つ大きなお話なんですよね。これ全国でもなかなか無いことなのかなと、思っております。我々もいろいろな地域の観光DXに関わらせていただいて、他の地域にも転用できるよう、ソリューションを構築していきたいと考えております。
コロナ後を踏まえて、それぞれのお立場からどういった施策を展開するご予定なのかということ、また、推進に向けての課題みたいなところをお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。

リアルとデジタルの共存。どのように観光の醍醐味に繋げるか

平林氏: 人の移動が制限されてしまった瞬間にビジネスとして成立しなくなったっていうところが、極めてこのコロナの教訓なんだろうと思ってます。これから何をしてかなきゃいけないかっていうと、やはりリアルとデジタルをどう考えていくかが、非常に大きなこのテーマなのではないかなと思ってます。やはり特にこのデータ利活用型の沖縄モデルの中で、リアルも当然大事なんですが、一方でデジタルという要素も沖縄では考えているのだと、いうところを示していくと、多分他の地域では、類を見ないデータ利活用型の観光振興、地域振興のモデルになっていくのではないのかなと。バーチャル空間でいろいろな魅力を遡及した方々を、最終的にどう観光の醍醐味に繋げていくかが、非常にポイントかなと思ってます。

篠原: 平林さん、ありがとうございます。

稲垣氏: もう一つ大事なことは、これまでのビジネスっていうのはデータを囲い込んだ企業が独占的に利益を上げるという仕組みです。それがこれから共有のデータ基盤を持つことによって、みんな出せる情報はどんどんお互いに出し合ってオープンな環境を作ることによって、社会全体の利益が上がっていく。そこに成長のポイントを見つける。そういう会社になっていくだろうと、それをいち早く沖縄で例示したいと思います。

篠原: 稲垣さん、ありがとうございます。稲垣さんがおっしゃっていただいた通り、一つのプラットフォームに集中的にセントラライズされてたものが、デセントラライズされていく世界になっていくので、おそらく、NFTだったり、ブロックチェーンっていう技術を使えば、観光とすごい相性がよくて、何か沖縄のすごい有名な土地だったりとか観光地のデジタル空間にそれを再現して、その命名権をブロックチェーンで販売していくみたいなのってすごく面白いと思います。

データが観光客、沖縄の方々の幸福を築く
花牟礼: 観光するのって何で観光するのか。ウェルビーイングの一つの要素だと思うのですが、県民の幸せはどうなのかっていうことをきちんと議論したうえで、稼ぐ力のKPIも作りましょう。みたいな話をしていて今回、沖縄経済同友会の中で、チームGOH、グロス・オキナワ・ハピネス、これの構築を県に促そうというチームを発足させました。データを活用しながら、幸福度も分析できれば非常に面白いのではないかなと思っています。

篠原: 花牟礼さん、ありがとうございます。早速追加させていただきます。明確にやはり稼ぐ力、何のためにというところで、ビジョンとミッションというのを掲げていらっしゃいますよね。そこがまさに今おっしゃっていただいたところだと思います。

村上氏: 最後に。観光客と沖縄の方々、双方にとってウインウインなような観光のかたちが築ければなと思います。それをデータ利活用を通じて、国としても県と連携しながらできればなと思いますので、よろしくお願いします。

篠原: 村上さん、ありがとうございます。沖縄にいる方も沖縄に来る方もみんなハッピーになっていくということが最終的なところで、それをするためにこのようなテクノロジーを使っていきましょうということだと思います。
最後にこれから「データ利活用型観光振興モデル」の推進に向けて、我々だけでなく、いろいろなテクノロジーの企業がここに集積してくると思っています。そういった民間ソリューション企業にどんなことを期待するかというところを皆様にお伺いしたいと思います。

-皆様より一言ずつお言葉いただきました-

平林氏より
経営するにはその経営指標としてのデータが必要なので、そこが分かるようなものをぜひ出していただいて、そこは協調の領域として皆さんで協力して、沖縄に来ている人たちがどういう人なのか、どういう動きをしているのかは共有をしながら、自分達が戦うところは、それは秘匿化していく必要があると思います。このバランスをうまく取りながらやっていただけるといいのかなと思っております。

花牟礼氏より
最近だとパーパス経営とかいろいろ言われてます。ウェルビーイングだとか、そういったもの求めるのもそうですし、例えば、SDGsを追求するとか、そういった観点がすごく大事だと思うんです。Vponさんも含めて、課題解決にもつながるような経営を行っていただくというのが沖縄のためになるんじゃないかなと思っておりますので是非よろしくお願いします。

稲垣氏より
心理学の話で、心理学は科学であるということを証明しようとして、まさにデータサイエンスによって実証科学として認められようとしたんです。そのために、統計学を重視して実験心理学が出てきたんです。それまで科学ではないと見なされていたものであっても、それなりに社会的有用だということで、文学部の講座としてはあったわけです。じゃあ、それ以来もう臨床心理学などは実証的でないものは認められなくなったかというと、実証できないものも残ったわけです。これからデータは絶対に必要だけど、データにならないものとの関係をどう作っていくか、それが彼からのもう一つの方向性だと私は思っております。

村上氏より 
私からは、やはりデータに、私自身も慣れて行こうとするぐらいのレベルの人間でしかまだない状況ですので、その立場から言わせていただくことではあります。沖縄のこのデータ利活用の取り組みを構築していくにあたって、やはりどう読むか、そこにデータ利活用のデータ自体に答えはないっていう話も出ていましたように、読み方、使い方の部分っていうのが本当に重要になってくるのだろうと思っています。

最後に
改めまして皆様お忙しい中、ありがとうございました!今回のテーマである、沖縄のデータ利活用型推進の観光モデルにVponが先駆けをし、貢献できるよう進めさせていきたいと考えております。まさに、我々構想しているWeeというものは、ハブとなっていろんなデータを調達して、いろんな可視化ツールも調達して、いろんな方々が使いやすいようなものを沖縄の土地に提供していくっていうことがミッションかと思っておりますので、それを踏まえ頑張ってまいりたいと思います。